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ナスの接木に使う台木、トルバム ビガーの育て方

家庭用の発芽育苗器を使って、ナス(茄子)の割り接ぎ木用の台木として使用するトルバム ビガーの育て方について、参考程度ですが今行っていることや注意点について掲載しています。

ナスの台木トルバム ビガーのタネ蒔きと育苗

ポリポットの温度センサー
このページに記載されている発芽育苗器の地温とは、温度計のセンサーが入っている7cmポリポットの地温を指しています。

このページに記載されている温度は、あくまでも目安であり、このページを参考に実行した結果を保証するものではありません。

ここでは、市販の育苗培養土を使用しています。

トルバム ビガーのタネ蒔き

128穴ぐらいの大きさのセルトレイを必要なだけ切り離して、タネをまいています。

温度管理としては、発芽育苗器の地温で、日中は約28度~30度ぐらいとし、夜間は約22度ぐらいの変温管理としています。

一定の温度のまま管理するよりも変温管理の方が発芽の揃いが良いようなのでこのようにしています。

子葉が開いた状態
5月の中ごろに定植するので、2月20日ごろにトルバムビガーのタネを蒔いています。

予め水をかけて湿らせておいたセルトレイを使い、一箇所につき2~3粒蒔き薄く覆土し水を数滴垂らしておきます。

徒長を防ぐために発芽が始まるまでは、夜間使用した保温材を日中も使用して発芽育苗器の中を暗くしておいて、発芽が始まったら明るくします。

根が出てしまった状態
覆土を薄くすると左の写真のように根が出てしまう場合がありますが、こうなってしまったら早めに楊枝などを使って穴をあけて植えなおします。

トルバム ビガーの育苗

苗帽子
湿害と徒長の防止のために、子葉が開いたら早めに発芽育苗器から出して、日光に当てています。

気温が低い時期なので、写真のような苗を保温するための苗帽子(保温キャップ)を使っています。暖房された室内であれば使う必要はないと思います。

苗帽子(保温キャップ)の中の温度が上がりすぎるときは、苗帽子の上側をある程度切り抜いた苗帽子も使いながら温度を調整しています。

苗帽子の中の気温が約21度~22度以上あれば発芽育苗器から出すようにしています。

苗帽子の中の温度は、日陰の所に温度計を置いて測定しています。

トルバム ビガーの幼苗の腰折れ
発芽育苗器の地温を夜間約20度ぐらいにしていたら軸が折れた状態になってしまったので、本葉が出るまでは昼夜ともに発芽育苗器の地温を約21度~22度ぐらいにしています。

本葉が開いたら、様子を見ながら徐々に温度を下げていき、最終的には発芽育苗器の地温を約16度ぐらいまで下げることも可能です。

接木しやすいように節間を均等に伸ばしたいので、毎日苗の前列と後列の位置を変えてどちら側にも等しく日が当たるようにしています。

子葉が開いてから発芽育苗器の外に出すのが遅れた場合は、葉やけする可能性が高くなるので、レースのカーテン越しに日光を当てるようにしています。

トルバム ビガーの葉の表面の艶
また、育苗中に天候が悪く気温が低いため1日でも発芽育苗器の外に出せなかった場合、レースのカーテン越しであっても上の右側の写真の光っている部分のように、葉の表面に艶のある部分が出来る可能性が高くなってきます。

これは軽い葉やけの前兆ではないかと思いますが、日陰に置くと回復します。

本葉が重なり合ったトルバム ビガー
トルバム ビガーの苗が、写真のように葉が重なった状態になったら、25穴のセルトレイに植え替えています。

25穴のセルトレイ
写真が、4センチ×4センチの25穴のセルトレイで、2穴を切り離して使用しています。

トルバム ビガーの苗を日光に十分当てたいので、3月末頃からは、園芸マット(マット状のヒーター)を使用して、外で育苗を行っています。

穂木のナスについて

穂木となるナスのタネを蒔く時期は、トルバム ビガーの種を蒔いてから約二週間後に蒔いています。

穂木のナス
ナスは、本葉2枚~3枚のころに1番花の花芽が分化するため、この時期に高温で管理すると1番花の位置が高くなり、必然的に主枝の分枝位置も高くなります。

したがって、一般的な整枝法で栽培するのであれば、ナスの接木を行う時期は、花芽の分化が終わったと思われる本葉の4枚目が半分以上開いてから行うのが良いと思います。

トルバム ビガーに接ぎ木したナスの栽培風景
写真は、トルバム ビガーに接木したナスで、高さ約150cm、主枝4本仕立て、畝幅100cm、株間100cmで栽培しています。

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