ナスの接木苗の作り方、ホルダーを使用した接ぎ木の方法(仕方)
以下に掲載されている内容は、ホルダーを使用した接ぎ木の指導を受けたわけではなく、個人的な接木方法なので、あくまでも参考としてご覧ください。
ナスのホルダー接ぎ木の手順
ここでは、ジョインホルダーと言う名前の、内径が1.7ミリの接木ホルダーを使っています。
台木には、赤なす を使用しています。
ここでは、ホルダーを使用した接ぎ木の方法の紹介なので、写真のようなナス苗を穂木として使用していますが、実際に行うときには、写真のような貧弱な苗ではなく、十分、日光にあてた苗を穂木として使用します。
穂木として使うナスは、花芽分化のすんだ本葉3.5枚頃の苗を使用します。
花芽分化がすんでいない苗を28度ぐらいの高温で管理すると最初の花芽の位置が高い位置になってしまうため、これを防ぐために花芽分化のすんだ苗を使用します。
ただし、低温で管理できればこの限りではありません。
台木と穂木の処理
セルトレーから赤ナスを抜いて、台になる板の上に寝せておきます。
接着面を合わせるため、板の上で切ります。
台木の赤なす の子葉と第一本葉の間にホルダー接ぎ木するので、その位置より少し高い位置で赤なすの茎をカットして置きます。
赤なすの第一本葉もカットして、上の写真の様な状態にしておきます。
穂木のナスを子葉の下から切り取り、いらない葉は取り除きます。
台木と穂木の切断面が合うように両方を一緒にして切ります。
接着面を広くするために斜めに切ります。
板の上で、ずれない様にしっかり押さえて両方同時に切ります。
挿し方と後の処理
写真のように、穂木と台木をホルダーにさし込み切断面を合わせ密着させます。
ホルダー接ぎ木が終わったものは、セルトレイに戻して倒れないように支柱を立てておきます。
何本か接ぐ余裕はあると思いますが、最初にホルダー接ぎ木したものが萎れないうちに家庭用育苗器に入れておきます。
ナスのホルダー接木後の管理(養生)
接木後の管理についての内容は、桜が4月8日頃に満開になる気候で、4月以降にホルダー接ぎ木を行った場合の内容となっています。
ホルダー接木後の管理には、家庭用育苗器を使用しています。
家庭用育苗器は、加温と加湿が同時に出来るので養生での失敗がほとんどありません。
このページで言うところの温度、湿度、外気温とは以下の通りです。
- 温度とは、家庭用育苗器の中に置かれたポットの中の温度。
- 湿度とは、家庭用育苗器の中の湿度。
- 外気温とは、家庭用育苗器が置かれた室内の温度。
遮光、ホルダー接木後の管理
日中は、日が差し込む時だけ遮光して、日が差さなくなったら常に、カーテンを全部開けて明るくしておきます。
家庭用育苗器は、フードやビニールだけで保温材を掛けてない状態です。
温度、ホルダー接木後の管理
家庭用育苗器の温度管理には、サーモスタットと最高最低温度計を使用しています。
家庭用育苗器は、ナスのホルダー接木を行う時間には、日中の場合、温度が最高約27度~28度になっているようにしておきます。
温度管理については、日中の最高温度約27度~28度ぐらいで様子をみます。
ナスの穂木から根が発生するようであれば、萎れない程度に少し温度を下げて様子を見ます。
穂木から根が発生したからといって失敗だと言う訳では有りませんが、活着に影響が有るかもしれません。
夜間の最低温度約20~21度ぐらいに設定しています。
サーモスタットを使っているので、最高温度、最低温度の平均温度は少し変ります。
以上のことは、一つのパターンであり最良の温度管理ではなく、あくまでも一つのパターンです。
活着、ホルダー接木後の管理
日曜日にナスのホルダー接ぎ木を行った場合には、木曜日頃からホルダー接ぎ木苗を少ししおれるまで、家庭用育苗器の外に出して外気に触れさせます。
日が差している場合は、遮光した中で行います。
萎れる苗がある間は、この作業を10日間ぐらい続けますが、それでも萎れる苗は、ホルダー接木自体がうまくいかなかったと思われます。
上記した気候なので、晴れていれば外気温が約20度くらいはあると思いますが、外気温が約16度以下の場合は、この作業を行いません。
4日目では、まだ十分活着していないので、すぐ萎れてしまいますが、以下のような目的があります。
- ホルダー接ぎ木苗を萎れさせることによって、刺激を与え活着を促す。
- 湿度が高い中では、病気が発生する場合があるので、ホルダー接木苗を乾燥させて病気の発生を防ぐ。
したがって、葉が濡れている場合は、ティッシュなどで水滴を取ることが望ましいです。
順化(慣らし)、ホルダー接木後の管理
ホルダー接ぎ木苗が萎れなくなった日の翌日の1日だけ、家庭用育苗器の外の明るい日陰に置いておきます。
次の日には、レースのカーテン越しに日光に当てますが、萎れたり下の写真のように葉の所々が光って見えるようになった場合には、また、明るい日陰に置いておきます。
写真の葉の白いところが、光って見えるところです。
萎れたり葉に異常が現れなければ、次の日には、日光に当てますが、萎れたり葉に異常が現れるようであれば、一旦、明るい日陰に置き、回復してからレースのカーテン越しに戻します。
完全に活着する前から家庭用育苗器の外に出しているので、順化(慣らし)の期間は短くなります。
また、穂木には、育苗時に十分日光に当てたナス苗を使用した場合も、順化(慣らし)の期間は短くなります。
これはあくまでひとつのパターンであり、なす をホルダー接木する時期、接ぎ木前の育苗環境、苗の質等を考慮して変える必要があります。
養生済みのホルダー接木苗は、大きめのポリポットに植え替えると思いますが、その時に支柱を長めの支柱に替えて固定するのが良いと思います。
また、ホルダーは、接木部分から折れるのを防ぐために、しっかり活着するまで取らないでおくのが良いと思います。
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