キュウリの接木苗の作り方、断根挿し接ぎ木の方法・仕方
以下に掲載されている内容は、個人的な断根挿し接木方法なので、あくまでも参考としてご覧ください。
キュウリの接木苗を作りたいだけであれば、台木の根を残したまま接木することをお勧めします。
キュウリの断根挿し接ぎ木の手順
カボチャ台木は、種を蒔いて2週間目ぐらいで、このくらいの方が茎が太くてやりやすいのでこの大きさのものを使います。
台木の根を残したまま接木する場合は、内側のサイズが4センチのセルトレイを使用しています。
穂木のキュウリは、種を蒔いて1週間目です。
台木の処理
台木カボチャの軸を、適当な長さでカットします。
台木カボチャの本葉の除去は、葉が小さければ台木に穴を開けるための竹のヘラで掻き落し、大きければカッターでカットします。
そのとき一回に切り落とそうとしないで、半分づつ両側から切ると台木カボチャの子葉を傷付けないですみます。
次に、ヘラを中心から少しずらして台木に刺して穴を開けます。
中心からずらすことにより、このように空洞部分ではない所に挿すことが出来ます。
活着するとこうなります。
穂木の処理と挿し方
穂木の キュウリは、軸の切り口をV字型にカットしますが、このとき穂木を板の上に置いて、子葉を指で押さえて切ると上手くいきます。
穂木のキュウリの切断面の上部が少し見えるか、隠れるくらいまで台木に挿し、切断面が密着しているか確認する。
キュウリの接木が終わったものはためないで、予め用意しておいた家庭用育苗器の中のポットに挿しておきますが、このとき、予め開けておいた穴の中に置く感じでポットに入れ、倒れないように培養土の表面を平らにしておきます。
キュウリの断根挿し接木後の管理(養生)
接木後の管理についての内容は、桜が4月8日頃に満開になる気候で、4月以降に断根挿し接ぎ木を行った場合の内容となっています。
このページで言うところの温度、湿度、外気温とは以下の通りです。
- 温度とは、家庭用育苗器の中に置かれたポットの中の温度。
- 湿度とは、家庭用育苗器の中の湿度。
- 外気温とは、家庭用育苗器が置かれた室内の温度。
家庭用育苗器とポット、キュウリの断根挿し接木後の管理
キュウリの断根挿し接木後の管理には、加温と加湿が出来るものとして、家庭用育苗器を使っています。
家庭用育苗器は、加温と加湿が同時に出来るので養生での失敗がほとんどありません。
ここでは、根の伸び具合が分かるようにピートモスで出来た直径6センチのポットを使っていますが、実際の場面では、ポリポットやセルトレイなどを使用します。
キュウリの断根挿し接木の終えたものを挿すために、ポットの中心部に台木カボチャの茎が楽に入るくらいの穴を開けて、家庭用育苗器の中に並べておきます。
遮光、キュウリの断根挿し接木後の管理
日が差し込む時だけ遮光し、日が差さなくなったら常にレースのカーテンも全部開けて明るくしておきます。
家庭用育苗器は、フードやビニールだけにして、夜間使用した保温材は取っておきます。
温度、キュウリの断根挿し接木後の管理
家庭用育苗器の温度管理は、サーモスタットと最高最低温度計で行っています。
家庭用育苗器は、キュウリの断根挿し接木を行う時間には、日中の場合、温度が最高約27度~28度になっているようにしておきます。
温度管理については、日中の最高温度約27度~28度ぐらいで、あまり温度を上げると キュウリの穂木から不定根が発生する。
夜間の最低温度約20度~22度ぐらいに設定しています。
サーモスタットを使っているので、最高温度、最低温度の平均温度は少し変ります。
以上のことは、一つのパターンであり最良の温度管理ではなく、あくまでも一つのパターンです。
活着、キュウリの断根挿し接木後の管理
日曜日に接木を行った場合、土曜日には写真のように、ポットから根が出ているはずです。
断根挿し接木自体が成功していれば、土曜日には完全に活着しているはずなので、金曜日ごろから家庭用育苗器の外に出して、少し萎れるまで外気に当てます。
台木の根を残したまま接木した場合は、水曜日ごろから家庭用育苗器の外に出します。
この作業を行う場合は、日が差している間は遮光して、日が差さなくなったらカーテンを開けて明るくしておきます。
上記した気候なので、晴れていれば外気温が約20度くらいはあると思いますが、外気温が約16度以下の場合は、この作業を行いません。
萎れた苗は、家庭用育苗器に覆いをかけて加湿(加温)すると元に戻ります。
萎れる苗がある間は、この作業を4日間~5日間ぐらい続けますが、それでも萎れる苗は、断根挿し接木自体がうまくいかなかったと思われます。
この作業には、以下のような目的があります。
- 断根挿し接ぎ木苗を萎れさせることによって、刺激を与え活着を促す。
- 湿度の高い中で、本葉が成長してしまうと外に出したときに、日光に当てなくても下の写真のようになる確率が高くなってしまうので、断根挿し接木苗を乾燥させる必要があります。
したがって、葉が濡れている場合は、ティッシュなどで水滴を取ることが望ましいです。
断根挿し接ぎ木苗が写真のようになってしまったら、脇芽が伸びてくるので、それを利用するのが良いと思います。
順化(慣らし)、キュウリの断根挿し接木後の管理
活着した断根挿し接木苗は、萎れなくなった日とその翌日の2日間、上記の作業を続けます。
夜間は、最低気温が17度以上あれば、そのまま家庭用育苗器の外に出しておいてもかまいません。
3日目には、レースのカーテン越しに日光に当てますが、苗が萎れたり、本葉が開いている場合には、下の写真のように本葉の所々が光って見えるようになったときには、明るい日陰に置いておきます。
写真の葉の白いところが、光って見えるところです。
萎れたり葉に異常が現れなければ、次の日には、日光に当てますが、萎れたり葉に異常が現れるようであれば、一旦、明るい日陰に置き、回復してからレースのカーテン越しに戻します。
キュウリの苗の葉焼けを防ぐために念のため、この様にしていますが葉が焼けなければこの限りではありません。
台木、穂木共に育苗時に十分日光に当てたものを使用しているので、日光にあまり当てないで育苗したものは慣らしの期間を上記より長めにしたほうが良いかもしれません。
これはあくまでひとつのパターンであり、キュウリを断根挿し接木する時期、接ぎ木前の育苗環境、苗の質等を考慮して変える必要があります。
台木のタネ蒔き・育苗については、キュウリの接木用 台木カボチャの育て方を参考にしてください。
- スポンサーリンク
- スポンサーリンク